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2023.11.21 「第十二回 電力エネルギー未来技術シンポジウム」講演要旨

「第十二回 電力エネルギー未来技術シンポジウム」講演要旨

『東北電力の火力発電所におけるカーボンニュートラルに向けた取組みについて』
山本 修平
東北電力(株)
 発電カンパニー
 火力部(火力企画)

 当社火力部門は、「東北電力グループ"カーボンニュートラルチャレンジ2050"」に基づき、経年化した電源の休廃止、石炭火力へのバイオマス混焼やアンモニア混焼、LNG火力への水素混焼等の検証・実証など、火力電源の脱炭素化に向けた取組みを進めている。
本講演では、カーボンニュートラルを巡る国内外の動向をはじめ、東北電力グループ「カーボンニュートラルチャレンジ2050」の概要、当社火力発電所における脱炭素化に向けた取組み状況等について紹介する。

『カーボンニュートラル実現に向けた革新原子炉開発の取り組み』
塚原 達也
日立GEニュークリア・エナジー(株)
原子力計画部
プラント計画グループ 技師

 カーボンニュートラルの実現に向けて、CO2排出削減と電力の安定供給・燃料費削減に貢献する原子力への期待が国内外で高まっている。日立GEニュークリア・エナジーでは、多様な社会的ニーズに応えるため、安全性向上、初期投資低減、長期的な安定電源確保、放射性廃棄物の有害度低減を目指した革新原子炉の開発を推進している。
本講演では、新たな安全メカニズムを導入した革新大型軽水炉Highly Innovative ABWR(HI-ABWR)、高い安全性とコスト競争力を実現する高経済性小型軽水炉BWRX-300、燃料サイクルに貢献する高速炉PRISM/RBWRの特長と開発状況を紹介する。

『アンモニア専焼ガスタービンについて』
藤森 俊郎
(株)IHI
事業開発統括本部 技監

 IHIは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、水素エネルギーキャリアであるアンモニアに着目し、製造から輸送・貯蔵、利用までのバリューチェーン全体の技術、事業開発を進めている。2013年からは、アンモニア燃焼技術開発に着手し、内閣府が主導するSIPエネルギーキャリアープロジェクトにおいて、ガスタービン、ボイラ等における発電用燃料として利用可能であることを明らかにした。また,当社は,液体アンモニアによるガスタービン専焼運転に世界で初めて成功し、今後商用化に向けた長期耐久試験を行う予定である。
本講演では、IHIの目指すアンモニアによるエネルギー供給や、発電を中心とした技術開発の状況と社会実装に向けた取組みについて紹介する。

『火力発電所に導入可能なエネルギー貯蔵システム(LAES)について』
中村 駿介
住友重機械工業(株)
エネルギー環境事業部
事業開発推進部

 昨今の変動性再生可能エネルギーの急速な導入により、需給の同時同量を原則とする電力システムにおいて、調整力の役割を担う電源の重要性が増している。当社が電力システム安定化への取り組みとして商用化を進めるLiquid Air Energy Storage(LAES)は、余剰電力を貯蔵し、必要な際に短~長時間の放電が可能であることや立地選択の自由度が高いこと、系統へ慣性力を提供できるといった特長を持つエネルギー貯蔵設備である。加えて、LAESでは空気の液化や発電のプロセスに外部の冷・温廃熱を利用することができるため、LAES単機での運用の他、LNGや液化水素を扱う設備と熱的に統合したモデルも想定される。
本講演では、2025年に稼働予定のLAES商用実証機(4.99MW×4時間貯蔵)の概要を紹介するとともに、外部廃熱の利用プロセスについても紹介する。

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